PRP 療法のダウンタイム、痛みはどれくらい続くのか解説

PRP療法は、シワ・たるみなどの皮膚老化の改善に効果が期待されていますが、ダウンタイムについて気になる方は多いのではないでしょうか。

  • ダウンタイムの期間はどれくらい?
  • ダウンタイム中にメイクはできる?
  • ダウンタイム中に運動はできる?
  • ダウンタイム中に入浴はできる?

そこで本記事では、PRP療法のダウンタイムや痛みがどれくらい続くのか、またダウンタイム中の過ごし方や注意点についてご紹介します。

PRP療法の施術後について気になる方はぜひ参考にしてください。

PRP療法について

PRP療法とは、自身の血液から血小板を抽出して濃縮し、患部に注入する再生医療です。血小板には、さまざまな成長因子が含まれており、これらが組織の修復や再生を促進する効果が期待されています。

PRP療法は、以下のような場合に効果が期待できます。

  • 美容目的
    • シワやたるみ
    • ハリや弾力の回復
  • けがの治療
    • 関節の炎症や痛み
    • 腱や靭帯の損傷
    • 筋肉の損傷
    • 皮膚の傷跡

PRP療法施術の流れ

PRP療法の施術の流れは、以下のとおりです。

  1. 予約とカウンセリング
    まず、PRP療法を受けるクリニックを予約し、カウンセリングを受けます。カウンセリングでは、患者さまの悩みや希望をヒアリングし、施術内容や費用などを提案します。
  2. 血液採取
    カウンセリングが終了したら、血液採取を行います。血液採取は、腕の静脈から行います。
  3. 専用の装置を用いて遠心分離を実施
    血液を遠心分離機で分離し、血漿を抽出します。血漿には、血小板が含まれています。
  4. 注入
    濃縮した血小板(PRP)を、患部に注入します。
    PRP療法の施術時間は、部位や注入量によって異なりますが、一般的には1時間程度です。

PRP療法のダウンタイムの期間について

PRP療法のダウンタイムは、施術部位や注入量、また個人差もありますが、一般的には数日〜1週間程度です。ダウンタイム中は、コンシーラーなどで症状をカバーすることも多少は可能です。ですが、基本は家で安静にしてましょう。

また、仕事や学校などの予定がある場合は、施術を受ける前に、ダウンタイムがあることを周囲に伝えておくとよいでしょう。ダウンタイムの期間をある程度把握した上で、スケジュール調整することをおすすめします。

参考:​​日本美容外科学会会報 Vol.44 特別号

PRP療法のダウンタイムの症状について

PRP療法はメスを使わないため体への負担が少なく、比較的副作用が少ないのですが、個人差があります。事前に術後どのような症状が出るのか知っておけば、実際に発生した時にも冷静に対処できるので認識しておくことが重要です。

一般的には、腫れや内出血、赤みなどの症状が現れる場合があります。

  • 腫れ
    腫れは、施術後すぐに現れ、数日で徐々に改善が見込まれる
  • 内出血
    内出血は、施術後1~2日続いた後、徐々に消えていくことが見込まれる
  • 赤み
    赤みは、施術後すぐに現れ、数日で徐々に改善が見込まれる

また、施術部位や注入量によっては、以下のような症状が現れることもあります。

  • 痛み
  • かゆみ
  • むくみ
  • 熱感

これらの症状も、通常は数日〜1週間程度で改善が見込まれます。

いずれにしても一時的なものである可能性が高く、ダウンタイム中の過ごし方に気をつけることでリスクを最小限に抑えることができるでしょう。

参考:​​日本美容外科学会会報 Vol.44 特別号

PRP施術後のダウンタイム中はどのように過ごせばいい?

ダウンタイム中はどのように過ごせばいいのかと気になる方も多いのではないでしょうか?医師からの説明がありますが、指示された注意点を守らなければダウンタイムが長引きます

ここでは、なるべく症状を悪化させないダウンタイム中の過ごし方について解説します。

PRPを注入した箇所は刺激しない

注入直後の皮膚は敏感であり、摩擦や圧力によって炎症を引き起こす可能性があります。

そのため、以下のことに注意しましょう。

  • 注入部位を強く押したり、こすったりしない
  • 注入部位をマッサージしない
  • 注入部位を触ったり、触れられたりしない

また、顔へのPRP注入の場合枕カバーを柔らかい素材に変えたり、寝る位置を工夫して顔が枕に強く当たらないようにするなどの工夫が必要です。

医師からの指示による内服薬や外用剤を使用する

PRP療法のダウンタイム中は、医師からの指示による内服薬や外用剤を使用することが大切です。内服薬や外用剤は、腫れや内出血などの症状を軽減するのに役立ちます。

具体的には、以下のことに注意しましょう。

  • 医師の指示に従って、内服薬や外用剤を正しく使用する
  • 内服薬や外用剤の副作用に注意する

ジョギングや入浴など血行がよくなる行動は控える

PRP療法のダウンタイム中は、血行がよくなる行動は控えることが大切です。血行がよくなると、腫れや内出血が悪化する可能性があります。

具体的には、以下のことに注意しましょう。

  • 激しい運動や入浴は控える
  • 長時間の立ち仕事や歩行は避ける
  • 長時間のパソコン作業は避ける

PRP療法のダウンタイム中は、血行がよくなる行動を控えて、無理のない過ごし方を心がけましょう。

痛みや腫れが悪化したらすぐクリニックへ相談

以下の症状が現れた場合は、すぐにクリニックへ相談しましょう。

  • 施術箇所の痛みや腫れが徐々に悪化する
  • 施術箇所から膿や血が出る
  • 施術箇所に違和感がある

ダウンタイム中の過ごし方には、痛みや腫れを悪化させないように注意することが大切です。痛みや腫れが悪化した場合は、早めにクリニックへ相談するようにしましょう。

RPR療法で期待できる効果

PRPに含まれる血小板には、傷を治す働きをする成長因子が含まれているため、お肌の悩みを改善する効果が期待できます。

RPR療法で期待できる効果は、以下のとおりとなります。

  • シワの改善

PRP療法で注入された血小板から放出される成長因子が、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進します。これにより、肌にハリと弾力が生まれ、シワが目立ちにくくな効果が期待できます。

  • くまの改善

PRP療法で注入された血小板から放出される成長因子が、メラニンの生成を抑制します。これにより、目の下のクマやくぼみが改善が期待できます。

  • ニキビ跡の改善

PRP療法で注入された血小板から放出される成長因子が、肌の再生を促進します。これにより、ニキビ跡の凹みの改善が期待できます。

参照;美容医療の診療指針(令和 3 年度版)報告

PRP療法のリスク

PRP療法は、患者自身の血液から採取した血小板を注射するのでアレルギー反応が起きるリスクは低いとされています。

ですが、副作用やリスクは、施術を受ける人の体質や状態によっても異なるため注意は必要です。また、施術を受ける部位や量によっても、副作用やリスクの程度は変わってきます。

PRP療法を受ける際には、これらの副作用やリスクをしっかりと把握した上で、注意して施術を受けることが大切です。

PRP療法を受けることができないケース

PRP療法は全ての方が受けることができるわけではありません。特定の状態や疾患をお持ちの方は、PRP療法を受けることができないケースも存在します。

施術を受ける前に、以下の点に注意が必要です。

  • 妊娠中や授乳中は施術を受けられない
  • 心臓や脳の疾患、血液系の疾患がある場合は、施術を受けられない可能性がある
  • 服用中の薬によっては、施術を受けられない可能性がある
  • アレルギーがある場合は、施術を受けられない可能性がある

PRP療法を受ける前には、医師としっかりとコミュニケーションをとり、自身の健康状態や既往症、服用している薬について詳しく話し合うことが大切です。安全で効果的なPRP療法を受けるために、正確な情報提供と医師からの適切なアドバイスを聞きましょう。

線維芽細胞増殖因子(bFGF)PRP療法には注意

PRP療法にもいくつか種類がありますが、PRPに線維芽細胞増殖因子(bFGF)を添加したものは注意が必要です。

美容外科学の学術団体である日本美容外科学会(JSAPS)の調査でも細胞などを注入する施術で「しこり」や「不自然なふくらみ」などの後遺症や合併症が生じたケースの4割がPRP注射にbFGFを混入したものとされています。

エビデンスレベルの高い論文がないという評価もあり、安全性を保証できないという指針が発表されています。しこりや膨らみを除去するために、メスを使わざるを得ないことになりかねないので注意しましょう。

参照:日本美容外科学会会報 Vol.44 特別号 59ページ

参照:美容医療 後遺症外来の医師が解説! 絶対に注意すべき施術とポイント – 医療と介護を考える – NHK みんなでプラス

PRP療法のダウンタイムについてよくある質問

PRP治療のダウンタイムに関する質問をまとめました。施術を受けたいけど不安がある方の参考になれば幸いです。

PRPの腫れのピークはいつですか?

個人差はありますが、腫れのピークは施術後2〜3日です
施術直後は腫れがほとんど目立ちませんが、2〜3日後になると腫れが徐々に大きくなっていきます。その後、徐々に腫れが引いていき、1週間程度でほとんど消失します。

施術前に、医師に腫れの程度や軽減方法について相談しておくとよいでしょう。

PRP施術はどれくらい痛いのでしょうか?

施術部位によって痛みの程度は異なりますが、一般的には注射針による投与の際多少チクチク痛みを感じることがあります。どうしても痛みが気になる方は不安や懸念を医師に相談しましょう。

PRP施術後はメイクしても大丈夫でしょうか?

PRP施術後は、当日のシャワーは可能なことが多いですが、できればメイクは避けたほうが良いです。コンシーラーやファンデーションを塗る場合は、刺激の少ないものを使用し、施術部位を強くこすったり、マッサージしたりしないように注意しましょう。

まとめ

PRP治療のダウンタイムは、施術部位や個人差によって異なりますが、一般的には以下のような症状がみられます。

  • 腫れ
  • 赤み
  • 痛み
  • 内出血

PRP治療を受ける際には、ダウンタイムについて十分に理解して施術後はできるだけ安静にしてましょう。

当院では形成外科医として経験豊富なドクターがPRP治療を行っております。詳しい内容については以下のメニューページよりご確認くださいませ。

PRP療法 | SAKAE美容クリニック